プチ・トランボ

レンタルDVDで見た「トランボ」が良かったので、その原作「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」を読む。B5判で450ページもある。


あちらのインタビュー本ではよく感じることだが、なんかムダなところの多い本だなあという印象。
たくさんの関係者にインタビューしているが、あまり興味のない人やたいしたことのないエピソードは飛ばして読み、やっと読了。
映画は、この原作をかなりカットし再構成して手際よくまとめている。
トランボさんも感心するだろうなあ、生きてたら(^_^;)。


なるほどと思ったのは、トランボが若いころ共産党員だった件。
大恐慌のころ、トランボ一家は貧乏に苦しみ、若きトランボもパン工場で働くなど金の苦労をしたらしい。
いくら働いてもラクにならないという不満と疑問から、共産党に入党したとか。
当時の時代状況を考えると、ムリもないと頷ける話だ。


しかし成功してからも、とにかく金があればあったで使ってしまい、なければせっせと仕事する。
なんだかつねに金と仕事に追われていたような印象だ。
それだけに、芸術とか作家性とかいうきれいごと?よりも、シナリオをまず金になる仕事としてとらえ、プロに徹していたことがよくわかる。


トランボが頼りにされていたのは、直しを頼むと必ず監督やプロデューサーの期待に応えてくれたこと。そして勝率(ヒットの)が高かったことらしい。
そういう意味では、職業的シナリオライターとしてかなり優秀であり、「早い、安い、うまい」シナリオライターであったのだろう。
別名で書いたシナリオが本人のところに回ってきて、
「直してくれ」と頼まれたエピソードには、笑ってしまったwww


これからは私も、安い原稿をせっせと書き飛ばさなくてはいけない状況を「プチ・トランボ状態」ということにしよう(^_^;)