あんまりな。

wowow「ポセイドン」を見る。
旧作に比べると、CGのせいで見栄えは確かにいい。
しかしそれだけだ。
なにより愕然としたのは、案内人として同行させた
ラテン系のウェイターを、死なせてしまったこと。
エレベーターの孔で、R・ドレイファスがぶらさがって
落ちそうになり、その足にさらにウェイターが掴まる。
そこを上からエレベータが迫ってきて、絶体絶命の危機と
なるのだが、みんなして「そいつを蹴落とせ」と叫び、
ドレイファスがホントにウェイターを蹴り落としてしまう。


あんまりだ。


自分たちが助かるためには、ラテン系や黒人、黄色人種
どうなってもいいという、傲慢な思想が感じられる。
白人中心主義のおごりというか本音が、ポロッと
出てしまったという感じだ。
いや、考えすぎというかも知れないが、この成り行きでは
そう考えても仕方がないだろう。
そのあとも、ウェイターのことは誰もフォローしない。
誰も後悔したり悩んだりしない。
ああいう絶対的状況だから仕方がなかったとしても、
もっと描き方ってものがあるだろう。
ワタシは国粋主義者ではないが、このくだりを見て、実に
腹が立った。おそらく世界で何億もの人が、そう思ったのでは
ないだろうか。