日本的おもてなしの行方

年末に、和田サイの忘年会があって、西荻駅近くの魚民へ行った。
ここは白木屋系の店で、ほとんどの商品が280円くらいに
統一されている。コレで儲かるのかと思ったら、なんと
すごい省力化が導入されていた。通されたテーブルには、
iPadのようなタッチパネル式端末が置いてあり、
それでメニューを見て、オーダーするのだ。つまり、店員は
オーダーを取る手間が省け、配膳と片づけのみを行うので、
作業の手間(工数?)がほぼ半減するというわけだ。
オーダーミスもないし、客も積算の金額を見ながら
追加を頼める。考えてみると、なかなか凄いアイデアである。
ちなみに、飲み食いしたあと、お茶を頼もうとしたら、
メニューにはなかったので、直接店員にオーダーした。
考えてみると、そりゃそうだ。店側としては、タダのものを
端末でやたら注文されたらかなわんもんね(^^;)。
低価格で客を呼び、少人数のスタッフで利益を出すには、
こうしたIT技術の導入が欠かせないというわけだ。
このシステムは、来るべき少子化時代への布石でもあるのだろう。
とはいえ、安いのはいいのだが、なんとなく何かが
足りないという気にもさせられた。これじゃ、
接客業とは言えね~じゃん!ってことだ。


……そんな体験のせいか、年明けにまたもや和田サイ関係の
メンバーで、同じビルの地下にある坐・ワタミへ行ったら、
ごく当たり前の店員によるオーダーや接客が
ものすごく至れり尽くせりに思え、感動してしまった(^^;)。
まあ、どちらもアリということなのだろう。


すこし前に読んだ「『最強のサービス』の教科書」(講談社新書)は、
まさしくこうした企業の意欲的な取り組みを描いて、
なかなか面白かったが、こうした日本的おもてなしの
高度な追求を続ける限り、日本に明日はあるさ――と、
ビールを飲みつつ、ちょっぴり心強い気分になったのであった。