寄生虫

ツタヤの高すぎ新作で、話題の「パラサイト」(ポン・ジュノ監督)を見る。

この監督には「殺人の追憶」(2003年)でビックリさせられた。

なにしろその年のベスト1が「ミスティック・リバー」(C・イーストウッド監督)で、2位が「殺人の追憶」だな……と、10本も見ないうちに私が勝手に選出したほど(?)、高い完成度と演出力が感じられたのだ。

それまでほとんど興味なかった韓国映画を、すっかり見直してしまった。

 

今作も、社会の底辺を象徴する半地下のアパートに住む家族が、ブルジョアの家庭を騙して徐々に乗っ取っていくという構成が面白く、次になにが起こるかわからない展開に引き込まれた。

しかし、アカデミー賞4冠って、それほどのもんかなあ?というのが正直な感想だ。むこうの人には、韓国人の発想や行動が新鮮だったのだろうか?

 

そして、見終わって誰しも思うだろうと思うのだが、これは日韓関係をシンボライズした作品ではないかということ。慰安婦問題やら徴用工問題やらの経緯を想起すると、ついそう思ってしまう。

まあさまざまな解釈が可能な作品ではある。

 

でも、とにかく面白いことは面白い。ポン・ジュノ監督は、最初のハリウッド進出でこけたけど(「スノー・ピアサー」)、これで再挑戦できるのではないか。その意味では、この先が楽しみな人ではある。