戦没者?

NHK-BS『大脱走』をなにげに見ていたら、持っている
市販DVDと、訳が微妙にちがう。
とくに最後、ナチに射殺された50名の脱走者への
献辞が出るのだが、
●BS――「この映画を50名の戦没者にささぐ」
●市販DVD――「この映画を50名の兵士にささげる」
となっている。


戦没者というのは、単純に戦争で亡くなった人という
大まかな呼び方であり、感傷も怒りもそこには入る余地がない。
捕虜の射殺は戦争犯罪だから、この献辞には抗議と追悼の
意味がこめられているわけで、戦没者と訳してしまうのは
なんとも違和感があるなあ。
ていうか、訳しすぎw



[『さまよう刃』(東野圭吾)]
を読んだ。娘を殺された中年男が、犯人の少年たちを
殺そうと追いかける。
被害者の復讐は許されるか、という今日的なテーマ。


どうも先日読んだ『東京タワー』の読後感が大きすぎて(?)、
いまいち乗れず、なんだか淡泊な本だなあという感想。
小説なら、虚構としての作り込みの丁寧さが求められる
はずだが、追跡にしても大してサスペンスが盛り上がらず、
話がいっこうにはずまないので、 作り物のひ弱さを感じてしまう。
同じテーマを追っている日垣隆のノンフィクションを
読んだときのほうが、ショックが大きかった。


というわけで、新しい本を求めてさまようワタシ。