つぐない

レンタルBDで「つぐない」を見る。
キーラ・ナイトレイ主演の、2007年のイギリス映画。
少女のゆらぐ心理が、姉とその恋人の仲を裂き、ふたりを
不幸にしてしまう。少女は一生を通じてそのつぐないを
背負っていく……という話。
あまり期待せずに見たのだが、これが意外やよくできた映画で、
ヒロインの背負った哀しみが痛いほど伝わってくるし、
後半のどんでん返しの映画的展開には感心させられた。


そこで、イアン・マキューインの原作「贖罪」も読んでみた。
文庫本で上下巻の長い小説だが、やはり後半の盛り上がりはすごい。
人はなぜ物語に魅せられるのか、ということの答えがここにはある。
小説というジャンルの可能性にも目を見開かされた。


ちなみに原題 “atonement”(贖罪、償い)は、 at +one、つまり
償うことによってひとつになる、もとに戻るということらしい。
「贖罪」というと宗教的な意味合いが感じられるが、「つぐない」と
いうと、どこか男女間の甘やかな秘め事めいたイメージが
伝わってくるから、日本語は面白い。


そういえば、「つぐない」っていうテレサ・テンの歌が
あったなあ……と、YouTubeで検索して見ると、これが実にいい! 
つい「空港」とか「時の流れに身をまかせ」とか「愛人」とか
次々に見まくって、大テレサ・テン祭りに。
なんでイギリス映画からこっちに来るのか?と思いつつ、映画、本、
ネットと、メディアを横断する楽しみ?を、味わったのでありました(^_^;)