チーム制

「複眼の映像~私と黒澤明」(橋本忍)を読む。
ごぞんじ「羅生門」「七人の侍」などを書いたシナリオ作家による、
シナリオ作りの面から見た黒澤明論。
全盛期の黒澤の映画は、すべて複数のライターによる共作で、
司令塔にあたる小国英雄が、黒澤や橋本の書いたものを読んで
OKやNGを出していたとか。
旅館にこもってせっせと書く二人を横目に、小国はだまって
英語の本を読んでいたというのが面白い。
結局その小国も、「乱」で黒澤と意見が合わず大ゲンカして別れ、
以後黒澤はひとりでシナリオを書くことになる。
そりゃ黒澤くらいになると、だれもコントロールできないだろうが、
客観的に批評されないと、結局ハダカの王様になってしまう。
実際、晩年の黒澤映画を見るのは、実にツライものが
あった……(^^;)。


実るほどにこうべを垂れる稲穂のワタシなど、これを読んで
ますます自戒の念を強くしたのであったw