告白

映画の日ってことで、大泉Tジョイで「告白」を見る。なかなか面白かったが、ほぼ原作通りの展開で、とくに驚きはないのが残念。原作を読まずに見た人は、かなり楽しめたのかな?
原作が先か映画が先か、というのは永遠のテーマだ。


冒頭、教師の松たか子が喋っていても、生徒はみなメールを打ったり喋ったりと、てんで勝手に振る舞い、教室は騒然としている。これじゃ学級崩壊じゃないかと唖然とするが、こうでもしないと画面が持たないんだな、とガッテンした。原作では、ひたすら喋るヒロインのセリフだけで話が進むが、映画ではそうはいかない。こういう、ある種の非現実的なタッチが、「告白」の内容にマッチしていると思った。


それと、中学生のサイコキラーというのは、どうなのだろう? 
サイコキラーというのは、ワケがわからないから怖いのであって、この作品のように理由を説明してしまうとナンダカナーという感がある。
レクター博士は映画史上もっとも怖くて魅力的な殺人鬼だが、「ハンニバル・ライジング」なんかでその理由を明らかにしてしまうと、なんだか薄っぺらに思えてガッカリしてしまう。それと同じことを、「告白」でも感じた。


ただ、映画の出来としては、本年の日本映画ベスト1かも。……告白すると、今年の邦画で見たのはこれだけだが(^^;)。
松たか子も主演女優賞総なめの予感あり。とくに最後の表情は凄い。これぞ女優魂というところだ。そういえば、この監督のちょっと前の作品は「嫌われ松たか子の一生」……いや、それは「松子」か(^^;)。