痛風もかなり回復してきた。
いまや、ステッキいらずでほとんどのことができる。寝返りすら辛かったことを思うと、夢のようだ。
そして、しみじみ分かったこと。
当たり前に体を動かせたり、歩けたり、自転車に乗れたりすることが、こんなにもありがたく、素晴らしいことだったのか――と。
いまは、何不自由なく動けることが楽しい。うれしい。いまのところ、私の人生における満足度は100%である……ってぐらいのもんだ。
これって、人生における夢や目標も同じではないか?
でかい夢を抱くから、届かないゆえの不満もつのるわけで、そこそこのレベルにしておけば、ささやかなことで満足できるはずだ……なんて神妙に考えたり。
しかし、外出の際、まだステッキは携行している。用心のためもあるが、なにより周囲の反応を見てみたいという好奇心のゆえだ。
それに、ひょっとして妙齢の美女かなんかに遭遇して、
「なんてステッキな方! あなたの杖になりたいワ」なんて言われたら、儲けもんだもんな……などと勝手な空想も楽しめる。いえ、楽しんでるだけですよ、ホント。
ステッキ1本だけで、なぜか、そんなことを思えてしまう。まさに魔法の杖だ(^_^;)