「勝間さん、努力で幸せになれますか」(朝日新聞社刊)

……は、勝間和代香山リカの対談バトルだが、ほとんど対談に
なってないところが面白かった。
勝間は、努力すれば成功できるし、教育はそれを可能にする、と
あくまでポジティブ。
香山リカは、さして向上心のない(?)自分も含め、
この格差社会では、心を病んだ人とか社会からこぼれおちそうな人は
どうやってもはい上がれない。なんでそんなに
がんばらなければならないのか?と否定的だ。
結局最後まで二人の話は噛み合わず、平行線をたどるのみで、
ゴリラとクジラが戦うような、相撲とバトミントンが相対したような(?)
ちぐはぐさを残して終わる。
あとがきも、勝間が「またお話ししたい」と言うのに、
香山は「もう話すことはない」と、みごとなすれ違いだ(^^;)。


ワタシはどちらの味方かといえば、もちろんぐうたらを自称する
香山リカの方だ。
勝間の本を読んでいると、確かにいいこと言ってるし、
頷ける点も多いのだが、結局のところ、なんでも
経済効率とかサクセスとかお金の問題になってしまうところが
引っかかってしまう。


もっとも、たったひとつだけ、勝間を熱烈に支持する点がある。
ワタシも使っている、親指シフトキーボードのユーザーである、ということだ。
彼女は、ローマ字入力に比べて打鍵数が約半分で済み、高速入力できる
ことから、親指シフトを愛用している――と著作に書いている。
まったく同感だ。
ワタシのかすかな希望としては、絶滅危惧種である親指シフトが、彼女の
知名度と影響力によって再浮上し、その結果アップルあたりが
純正キーボードとして採用する……なんてことにならないかなあ、と
思ったりしているわけだ。
がんばれ、勝間!(いいかげんw)