なりわい

NHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」、高倉健を見る。
この番組のおきまりである最後の「プロフェッショナルとは?」の
質問に、健さんは「なりわい、かな」と答えていた。
なかなか味わいの深い答えだ。
これを40代くらいのチャラいデザイナーが言ったらアホかと
思うが(佐藤可○和のことではアリマセン)、映画俳優として
あれだけのキャリアを持つ81歳の健さんが言うと、俄然重みが
感じられるから不思議だ。
そこには、俳優になるのを親に反対されたという後ろめたさと、
金で身を売った(?)という引け目と、しかしプロとして撮影中は
肉親の葬式にも一切でなかった矜持と、そして長らく日本映画の
トップに君臨してきたという自負と……さまざまなものが交錯し、
ないまぜとなった複雑な思いがある。
「海峡」のワンシーン、笠智衆と一緒の場面がある。それぞれ、
日本のある種の典型、代表のような男を演じてきた2人の、
貴重なツーショットだ。どちらもカッコいい。
あんな年寄りになりたい、と思わせる(どちらかというと、健さん
なりたいのだがw)。


ちなみに健さんは、丁寧にしたためられた自筆の手紙でないと
仕事の依頼を受けないそうだ。さすがである。
日頃からケータイやメールでかかってくるやっすい仕事に
振り回されている私などには、気が遠くなるような話だ。
高倉健への道は遠い……(^^;)