崖っぷちの男?

Tジョイ大泉で「ハクソー・リッジ」(メル・ギブソン監督)を見る。


太平洋戦争の沖縄戦で衛生兵(Combat Medic)として従軍したデズモンド・T・ドス(英語版)の実体験を描いた戦争映画。デズモンドはセブンスデー・アドベンチスト教会の敬虔なキリスト教徒であり、沖縄戦で多くの人命を救ったことから、「良心的兵役拒否者(Conscientious objector)」として初めて名誉勲章が与えられた人物である。(ウィキより)


銃を持たない兵隊が主人公、という変わった戦争映画。
地獄の戦場で、雨あられと降ってくる銃弾をかいくぐり、傷ついた味方の兵を助けて断崖からおろす。何人も何人も。
そして自分は一発も撃たない。信仰心というものの強さに圧倒される……というか、
これはなかなか日本人には理解しがたい人物かも。
もっとも、ハリウッド的に見ると、変わった主人公を設定することによって、
戦争映画に新しい切り口をめっけたから作ってみました……くらいの理由ではないかと推測する。


それよりも、ふと思い出したのは「硫黄島や沖縄での被害が甚大だったので、
早く戦争を終結させるために米国は原爆の使用に踏み切った」……という説だ。
日本軍の抵抗にてこずり、次々に死傷者の出る凄惨なありさまを見ると、米国がそう考えても不思議ではないなあ……などとつい考えて複雑な気分になった。


ちなみに主人公の上官役でサム・ワーシントンが出ているのだが、彼の主演で「崖っぷちの男」というのがあったなあ。
だから崖つながり? 
いやあ、通なキャスティングだなあ(^_^;)


人間ドラマとしての緊張感もあり、戦闘シーンの迫力も十分、
2時間余をまったく退屈させない。メル・ギブソンはうまいなあ。
とりあえず、今年の洋画ベストワンかも(まだ3本しか見てないがw)。