これも巨星(スター)

李登輝さんの次は渡哲也……ちょっと驚いた。

病気がちな人ではあったが、大病を患って以後の俳優人生はむしろ順調だったと思えるのが、せめてもの慰めだろうか。

 

やはり代表作といえば「仁義の墓場」だろう。

予測不能、ハチャメチャな暴れっぷりで周囲から浮きまくった戦後派ヤクザの破天荒な生き方を描いて、唖然とさせられたものだ。

親分の前で愛する妻の骨を齧るところなど、渡哲也でなければ出せない、ぞっとするような迫力だった。

あの路線でもっと活躍していれば、すごい役者になったと思うのだが。

いろいろ大人の事情で、石原プロのために派手なテレビのアクションものに甘んじていたのだろう。あれだけの資質を持ちながら、ずいぶんもったいないなあ……当時の私にはそう思えた。

でも裕次郎を慕っていたのだから、本人的にはそれで良かったのだろう。

 

ともあれ、いい俳優だったなあ……ちょっとコミカルな役も見てみたかった。合掌。