見果てぬ夢

その後、イチロスは続いているが、イチローのことを考えるのは楽しい。

ひとつ気になっているのは、「サンデーモーニング」で張本も指摘していたが、選手としての唯一の欠点は、長打が少ない、ということだ。

しかしこれも、本当のところはどうなのか?といろいろ考えてしまう。

 

試合前の練習では、柵越えをバンバン連発していた、という話は有名だ。オールスターゲームホームラン競争に出してみたら?なんていう話もあった。

打率が下がるのを覚悟でホームランに徹したら、かなり打てただろう――という人もいる。

そこで、空想してみる。

ある年はそういう打撃に徹して、本塁打王になる!なんてことを。イチローならできそうな気がするところが面白い。

 

しかし、彼はリードオフマンに徹して、安打狙いの打撃を貫いた。

自分の存在価値と役割を知悉し、徹底的に追求したわけで、ホームラン王の夢は、永遠にわからないミステリーとなった。……そんな疑問を残すところも、イチローの凄さであり、奥深さだと思う。

 

それにしても、あの記者会見は面白かった。

答えの一言ひとことのテンションが高く、深い意味が汲み取れるもので、彼の奥深さを見せつけられる思いがした。うかつな質問をした記者は叱られていた。

私も仕事でインタビューはよくやったが、イチローはしてみたいとは思わない。

きっと、「ボーッと生きてんじゃねえよ!」と叱られるに違いない(^_^;)

……まあそれはそれで嬉しかったりしてwww

呆然。

イチローが引退を発表した。

期せずして平成の終わりにこういう結末を迎えるとは……。思えば、平成は空白の20年と言われ、日本にとっては不況と沈滞の暗い時代だった。

 

私も、平成はあまりいいことがなかった。振り返ると、とても平静な気分ではいられない……なんつって。

 

そんな時代に、明るく日本を引っ張ってくれたのがイチローだったと思う。

大リーグに挑戦し、ヒットを量産するその姿は、われわれを勇気づけてくれた。日本人に自信を蘇らせてくれた。自慢じゃないが、私なんぞ、イチローの試合はほとんど見ている。

それだけに、ここのところの不振は見ていて辛かった。イチローも苦しんだと思う。でも、その苦しさからは解放された。もうヒットの数を期待されずに済むんだね。

 

ありがとう、イチロー。おつかれさま、イチロー

これからしばらくは、イチロス(イチロー+ロス)に悩まされそうだ……(^_^;)。

撮影テクニック?

先週の日曜日、わけあって親戚の子供(小1)のピアノ発表会の、ビデオ撮影を頼まれた。

 

せっかくの機会なので、これまでに蓄積した(?)映画の記憶を総動員し、ヒチコックのトラックズーム(カメラを後退させつつズームアップする)とか、被写体の周りを360度回るとか、いろいろ凝ったカメラワークを張り切ってシミュレーションしていたのだが、当日はそんな技巧はまったくお呼びでなかった。

そりゃそうだ、そんなに動き回っていたら狭い会場で迷惑だし、ヘンな人だと思われる(^_^;)

それに、そもそもその子の演奏時間が1分程度なので、本番ではフィックス(固定)であっという間に終わってしまった。

 

大切な家族の記録なので、ちゃんと撮れているかどうか、気が気じゃなかったが、一応撮れていたのでホッとした。

 

それにしても、最近のビデオカメラの進歩にはビックリだ。

画質はハイビジョンだし、長時間録画できるし、

手ブレ防止も付いているし、マイクはなんと51チャンネルサラウンドで録音できるとか。カメラだけでプロジェクターにもなるらしい。

 

昔、アメリカへ行ったときに使った8ミリビデオカメラを思い出した。ソニーの業務用カメラだったが、バッテリーをリチウムではなく、単3電池4本を入れるバッテリーパックにしたのが失敗だった。使ってみると、撮影できる時間が短いのなんの。56分で電池切れになってしまうのだ。おかげで、全米の行く先々でアルカリ電池をまとめ買いする羽目になり、往生した。ニューオーリンズでは、電池代をぼったくられるし……orz

そもそも重いし、画質は悪いし、編集も面倒だし……まさに隔世の感があるなあ、としみじみ。

 

ところで今回、不思議だったこと。

花粉症なので、撮影中にくしゃみが出てしまい、その音が入るのを心配していたのだが、幸いくしゃみも鼻水も出なかった。

ひとえに緊張していたせいだろう。つまり逆に言えば、毎日ビデオ撮影があると思って緊張していたら、花粉症なんてどうってことない……ってか? ムリだけど(^_^;)

教養とは?

「国家と教養」(藤原正彦著)を読む。大ベストセラー「国家の品格」の、いわば続編だ。

国家の品格」は、日本人に自信をもたらした書として面白く、当時、いろいろな人にまるで自説のごとく中身を吹聴して、閉口された記憶がある(^_^;)

 

今回は……残念ながら品格を超えられなかったようだ。

私は藤原氏の著作をほとんど読んでいるので、ネタが二番煎じ、三番煎じで既視感があり、品格の復習をさせられている気分になった。

結論は、要するに本を読め、ということなのだが。まあ、教養とは結局本を読むことに尽きる、ということだろう。行間に散りばめられたユーモアというか、著者の自虐ネタ?には楽しませてもらったが。

 

ちなみに私は三鷹方面へ行くとき、藤原氏の豪邸の前をいつも通るのだが、この道を「国家の品格通り」と勝手に呼んでいる。

ガレージにあったクルマは、トヨタのクラウンだった。う~ん、さすが「国家の品格」の著者だ……と納得した。

まあアレを書いておいて、クルマがアメ車やドイツ車じゃまずいよな~と、クルマ選びのどストライクの正しさ(?)に感心したのでありました(^_^;)

破壊者?

88歳のイーストウッドで思い出したが、先日亡くなったデストロイヤーも同じ歳だった。

なんといっても、力道山との死闘はすごかった。執拗な四の字固めがじつに痛そうで、それまでの、外人レスラー=悪役=反則ばっかり、というイメージが覆されたものだ。

その後、テレビのバラエティ番組でせんだみつおあたりに四の字固めをかけて受けていたようだが、私はあまり感心しなかった。

プロレスの技を素人にかけるということは、“プロの凄み”という神格化していたイメージが地に落ちるような気がしたからだ。

なにしろ、マジメな(?)プロレスファンだったもんで。

 

しかしまあ、その後デストロイヤーは日本に定着して愛され、成功を収めたのだから、いい人生ではあったのだろう。

10数年前だったか、麻布十番のケータイ屋で彼を見かけた事がある。奥さんと一緒で、すっかり当地に溶け込んでいる感じだった。それを見て、ほのぼのした気分になったことを覚えている。

噂通りというか、思った以上に背が低かったのには、ちょっと驚いたけど(^_^;)

沁みるなあ。

Tジョイ大泉で「運び屋」を見る。

88歳になるCイーストウッドの監督・主演作だ。

90歳の麻薬の運び屋という設定だが、これが事実というから驚く。

 

ひとことで言って、沁みる映画だった。家庭は大事にしなきゃあな~と思った(^_^;)

口が悪くて飄々と難関を乗り切り、ちょっとスケベな面も持ち合わせている、新しいキャラクターが面白い。

それにしても、危険が迫っても、マグナム44をぶっ放すどころか、手も出せない枯れた年寄りを演じるイーストウッド。「ローハイド」から見てきた同時代人としては、感慨もひとしおだ。

 

彼の映画をあと何作見られるのか……もはや貴重な絶滅危惧種人間国宝を見る心境であります(^_^;)

 

5倍で十分ですよ

懸案の、映画の保存体制がやっと固まった。

うちのブルーレイレコーダーの内蔵HDは500GBなので、最高画質で録っていると、あっという間にいっぱいになってしまう。そこで、保存しておきたい映画はブルーレイに焼くことになるが、最高画質だと1枚に映画1本しか入らない。これでは、あっという間にディスクが増えてしまう。

昔のVHS8ミリビデオ、DVDなどの膨大なコレクションを、録っちゃあ捨て録っちゃあ捨てした苦い経験を思うと、むやみにディスクを増やしたくない。ディスクだって安くはないし。外付けHDを足すという手もあるが、あまりモノは増やしたくない。

 

……ってことでいろいろ悩んでいたのだが、ある人から、「録画は5倍モードで十分」という話を聞いた。そこで試してみると、確かに画質的にはほとんど変わらないことを発見。

というか、私の目では違いがわからない。70インチとか80インチの大画面テレビなら差がわかるかもしれないが、もうそんな大画面に走る気はない(というか、スペースもお金もないw)。いま使っている24インチのパソコンモニターで十分だ。

 

これでいいじゃん! と霧が晴れたような気分になって、ブルーレイREディスク(書き換え可能)にどんどん放り込んでいくことにした。これなら1枚に映画が5~6本入るし、見ないものは消せばいい。

選択の基準は、保存しておきたいが、いつも見たいほどではない、という作品だ。黒沢もスピルバーグも、「海街diary」も「この世界の片隅に」もディスクに放り込んだ。

 

その結果、内蔵HDに残ったのは、カーチェイスシーンを頻繁に見返す「ブリット」などを例外として、あまり見る気の起きないものばかり……

ひょっとして、こういうのがずっと溜まって、HDの肥やしになっていくのかな?と、また新たな問題が発生しつつあることを恐れている今日このごろであります(^_^;)