THE WIND RISES

いまさらながら、レンタルDVDで「風立ちぬ」(宮崎駿監督)を
見る。主題歌は松田聖子かと思ったら、違ってた。
零戦の設計者・堀越二郎が主人公だが、その成長というか、
キャラの変化もなく、淡々とした展開。
沈頭鋲など、技術的な難題を工夫して開発していく
プロジェクトX?的な風味もなく、中途半端な印象だ。
零戦のデザインは美しいが、製造工程であの曲線を出すには
職人的技術が必要だったらしい。
設計者として、コストはかかっても、美しい線を意地でも出したい
執念とかを描けていたら……とは思った。しかしこの主人公、
そういう根性とか執念とは無縁のようだ。


おいおい淡々とした展開だなあと思っていたら、後半は
難病ものになって、盛り上がってきた。
さすがにこういうところはうまいなあ。
時代的に当然とはいえ、やたら喫煙シーンが多いのは気になった。
肺病やみの妻の横でタバコ……ってどうよ? 
しかしこれも、ヘビースモーカーとして知られる宮崎監督の
現代の超嫌煙社会に対してのあてつけか……と思えば、頷ける。
というか、ここがいちばん個人的には面白かったともいえる。
あと、主人公の住むアパートの玄関に、扉つきの下駄箱が
あるのが懐かしかった。なにしろ、ン十年前に上京したときの
王子のアパートにも、同じものがあったのだ。
そういう意味で、細かいディテールは良く出来ているし、
大人の映画に仕上がっているとはいえる。


駄菓子菓子。
それだけに、トトロを期待して見に来た子どもはガッカリした
だろうなあ(^_^;)
もう宮崎のアニメは見ないぞ!と決心したりして(見れないけどwww)