一瞬の夏?

沢木耕太郎の映画批評を集めた本2冊、「映画の森へ」、
「映画の街から」を続けて読む。
彼の文章は、作品のいいところ、見どころがよくわかるし、
ネタバレもうまく避けつつ、いかにもいま見るべき映画だと
期待値を思い切り上げてくれる。
つまりその作品を早く見たくなってくるから不思議だ。
これが文章の“芸”というものだろう。


この本の特色は、単館系の作品をたくさん取り上げて
いることだ。
金かけたハリウッドの大作もいいが、単館系のちょっと渋くて
いい作品に巡りあったときのうれしさはまた、
映画を見る楽しみのひとつでもある。
いまはなき吉祥寺バウスシアターで見た「ユージュアル・
サスペクツ」の面白さには、ゾクゾクしたものだ。


ほとんどの作品は褒めているが、ソフィア・コッポラ
ロスト・イン・トランスレーション」だけは例外で、
はっきりダメ出ししている。じつはうちのDVDレコーダーにも
見ないまま保存してあるのだが、沢木先生のお墨付きで、
ますます見る気がしなくなった。
ムダなものにかかずらっているヒマはないからなあ(ま、
ヒマだけどねw)


とにかく、面白い映画に遭遇する楽しみが増えた。
未見の作品は、ツタヤの金曜シニア無料の特典をフルに
活用して、手当たり次第に鑑賞する予定だ。
年とると、いいこともあるなあ(^_^;)
この夏は映画ざんまいで、一瞬の夏になりそうだ……ナンチャッテw