まだまだ若草物語

●『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』、あまりに良かったので、レンタルBDを返すまでに4回見てしまった。見れば見るほど味の出てくる映画だ。シーンの一つひとつ、女優、ことにS・ローナンの演技やしぐさに見入ってしまう。ヒロインたちが愛おしくなる。

●原作も読み始めた。これほどハマったのは、日本版若草物語ともいうべき「海街diary」以来だろうか。そういえば、メリル・ストリープの性格の悪い伯母は、「海街〜」の樹木希林を想起させる。

「海街〜」のときは、好きすぎて湘南へ聖地探訪までしたものだが、さすがに「ストーリー〜」のそれはムリだろう(^_^;)

●原作によると、S・ローナン扮する次女・ジョーの描写では、男っぽくて容姿も今市。長い髪だけは見事……となっている。そういえばジョーが金を作るために髪を切ってきたとき、「唯一の取り柄が……」と姉妹に言われていたなあ。ローナンは十分美人なので、その意味ではミスキャストか?

●ラスト、「若草物語」の本が出来上がっていくところを見つめるローナンのアップが美しく印象的で、しみじみ見惚れてしまった。確かな自立の道を歩み始めた、キリッとした美しさを表していた。

●原作者のオルコットはフェミニストで、一生結婚しなかったらしい。映画のなかでもジョーが言っているのだが、どうも男性を愛せない人だったような。

●そこで、アマプラで1949年版「若草物語」も見てみた。

ジョー役はジューン・アリスンで、男っぽいという意味では近い印象。ラストはベア教授と一緒に家に入っていくハッピーエンドだ。幸せな結婚を取って、小説の夢は諦めたように見えるのが、ちょっと気になった。やっぱり時代だなあ〜。

●父親が登場したとき、思い切りズッコケてしまった。というのもこの俳優――ボブ・オデンカークという人だが、大いに面白かったTVシリーズブレイキング・バッド」で、小狡くてお調子者の弁護士を絶妙に演じていたからだ。そのイメージが強すぎて、四姉妹の父親で真面目な牧師という役柄には「?」が、脳内にえんえんこだましていた。でも最近売れてるようで、よくほかの映画でも見かけるのはご同慶の至り。これって、ブレイキング・グッド?

●最初の、出版社の社長に原稿を見てもらうシーン。ローナンが不安で揉み手をするのだが、そのアップで、指にインクのシミが付いているのに気がついた。脇目も振らず執筆していたという証だ。芸が細かいなあ……。ちなみにファーストシーンは、出版社のドアの前に佇むローナンの後ろ姿から始まるのだが、これだけで傑作の予感がして、背筋がゾクッとした。

●原作を読もうと図書館のHPを検索したら、100以上の候補が出てきた。いろんな出版社から出ているし、マンガや絵本もある。印税で、オルコットは相当儲かったろうなあ。映画の最後で、出版社の社長相手に「著作権は手放さない」と頑張ったわけがよくわかった(?)

というわけで、目下原作を読んでいる最中であります。マイブームはまだまだ続く……?(^_^;)