枯淡の境地

ティ・ジョイ大泉で「クライ・マッチョ」を見る。

 

『運び屋』などのクリント・イーストウッドが監督と主演などを務め、N・リチャード・ナッシュの小説を原作に描くヒューマンドラマ。落ちぶれた主人公が、少年と二人でメキシコを横断しながら心を通わせていく。(ヤフー映画より)

 

なにしろ91歳になるイーストウッドの監督・主演作だ。

過度の期待はムリというものだが、それでも老人と少年のロードムービーを最後までたくみに見せる力は大したものだと思う。

 

派手な話ではないし、アクションも少ない。淡々と進んでいくのは、もはや枯淡の境地と見るべきだろう。

いい酒は水に近くなるという、アレですよアレ。

 

なにしろ高齢なので、一挙一動が気になって仕方がない。

おいおい馬なんか乗るなよ危ないぞとか、そのパンチはアンタが骨折するんじゃないかとか、若いモンにダーティハリーぶりのタメ口を聞いたらひどい目にあうぞ……とか、いろいろ心配してしまう。

こんなに感情移入(心配)させられるヒーローも珍しい(^_^;)

 

もはや、彼の映画を見られるというだけでありがたい。

彼が画面の中で立っている、動いているのを見ているだけで感謝感激!と思ってしまうのだ。

この先も、なるべくコンスタントに映画を作ってもらいたいものだ。

こっちにとっても、生きるうえでの励みになるのだから。いやホント(^_^;)