そんなに忙しいのか、キミたちは。

「映画を早送りで観る人たち」(稲田豊史著)を読む。

なかなかおもしろかった。最近のZ世代は忙しいし、SNSなどの同調圧力でアニメやドラマをたくさん消費しなくてはならないので、自然と倍速や飛ばし見になるとか。シリーズもののドラマは、最初に最終回を観る、なんてこともするらしい。監督で観る、なんてこともしないとか。

 

私も倍速で観ることはあるが、それはムダな長回しがあるとか、緊張感のない画面であるとか、演出にメリハリがないなどのせいだ。まあ、人生の残り時間も少ないので、つまらない映画につきあってられない、というのがホントのところだが(^_^;)

 

そもそも、黒澤とか小津の映画は、とても早送りボタンを押せない。そうさせないだけの力が、画面にあるからだ。押したら失礼だ、という畏敬の念ももちろんある。

そもそも監督のことなど気にしないZ世代には、そういう発想はないんだろうな〜。

 

映画を観る楽しみは、観たあとに評論を読んだり、映画の背景について調べたり、親しい人と雑談したりあら捜ししたり、自分なりに考察することだと思っている。自分なりの気付きやウンチクを披露するのも楽しい。

つまるところ、いつも飛ばし見で映画をやりすごして見た気になっている世代とは、楽しい雑談はできないだろうな〜と思った次第であります(^_^;)