愛蘭土

「美女ありき」(川本三郎著)を読む。
銀幕の美女たちへのオマージュ集。
ヴィヴィアン・リーの項で、面白い発見があった。


風と共に去りぬ」は1952年に公開された。南北戦争で敗れた
南部の人たちの物語だったので、敗戦を経験し、戦後の混乱期に
生きていた日本人には感情移入しやすかった。
とりわけ、荒廃したタラの屋敷を立てなおそうとするヒロインは、
女性たちの共感を呼んだ……とある。


ワタシは20代のころ、リバイバル上映で見たのが最初だったが、
なんでこんなに日本で受けるのか、さっぱりわからなかった。
ヒロインも気が強いだけで、いったいどこがいいのか
理解できなかったが、川本三郎の見立てに納得、感心した。
そういう時代背景のせいか。
やはりリアルタイムで見ないとわからないことってあるんだな、と。


ヴィヴィアン・リーは、典型的なアイルランド女性を演じて
いるので、当然アイルランド人かと思っていたのだが、
ウィキで調べてみると、イギリス人だった。
これって、アイルランド人から見ると、どうなんだろう?
へんなたとえだが、宮本武蔵イ・ビョンホンが演じるような
ものか(?)。あまり見たくないが……。


そういえば007シリーズで、歴代の主役のうちでもピアース・
ブロスナンを認めたくないのは、彼がアイルランド人だから。
ボンドはスコットランド人――と原作にあるからだ。
といいつつ、イギリス人とアイルランド人の区別なんて、
ちっとも分からないわけだが……(^_^;)


ちなみに「風と〜」のタイトルの主語は、「文明」
(シビライゼーション)だそうな。
文明が風とともに去った、ということらしい。
原作にあるのだろうか?(もちろん長過ぎるので、読んでないw)。